古代文明の謎はどこまで解けたか
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擬似科学を批判したスケプティックサイエンス本は多いが、本書はエーリッヒ・フォン・デーニケンやグラハム・ハンコックに代表されるカルト考古学や、ツタンカーメンの呪いのようなオカルト考古学にメスを入れたスケプティック考古学本。
著者らは荒唐無稽な珍説には鋭い批判を加えるものの、単純な懐疑派というわけではなく、旧約聖書の「ヨシュアの長い日」や東方三博士を導いたベツレヘムの星に新しい仮説を提供してその現実性を検討したりしている。
原書は1冊だが翻訳版は3分冊になっている。章立と扱われているトピックを列挙する。
I 失われた世界と驚異の建築物・編
- 第1章 失われた世界とカタストロフィ (アトランティス、ソドムとゴモラ、ポールシフト、マヤ文明)
- 第2章 空を見つめて (天文学のあらまし、オリオン・ミステリー批判、ヨシュアの長い日、ベツレヘムの星)
- 第3章 驚異の建築技術 (ストーンヘッジ、ピラミッド、スフィンクス、ティアワナコ、イースター島)
II 地上絵と伝説に隠された歴史・編
- 第4章 地上絵 (グラストンベリー・スパイラル、サマセットの天体図、レイライン、ナスカの地上絵)
- 第5章 航海と発見 (最初のアメリカ人、フェニキア人のアフリカ周航、中国の虜囚になったローマ歩兵部隊、アメリカ大陸のバイキング、ウェルッシュ・インディアン)
- 第6章 伝説の中の伝説 (テーセウスとミノタウロス、アマゾン族、アーサー王、ロビン・フッド、ドラキュラ)
III 捏造された歴史とオカルト考古学
- 第7章 捏造された歴史 (チロルのアイスマン、シュリーマン批判、旧約聖書のシャピラ写本、アーサー王の墓、ヴィンランド地図)
- 第8章 考古学と超自然 (ツタンカーメンの呪い、オム・セティの前世の記憶、エドガー・ケイシー、グラストンベリー修道院での交霊会)
著者らは二人ともイギリスで学位を取り一人はイギリス在住中ということもあり、イギリス関連のトピックがやや多い。