PCOMMIT 命令は廃止に

Intel Architecture Instruction Set Extensions Programming Reference の Oct. 2014 -022 に華麗に登場した PCOMMIT 命令(d:id:nminoru:20150309:intelcpu)は廃止になった。

キャッシュフラッシュ命令(CLWB、CLFUSHOPT)は CPU キャッシュから追い出すが、メモリ書き込み要求はチップセット内にある WPQ(Write Pending Queue) に溜まるので、物理的なメモリにはすぐには書き込まれない。そのためストレージ・クラス・メモリ(SCM)な不揮発メモリに対してライトバックキャッシュを使うとキャッシュフラッシュを発行しただけでは、WPQ に書き込み内容が滞留して SCM への書き込みが保証できなかった。
PCOMMIT 命令は本当にメモリに反映されたことを保証する命令だったのだ。しかし Intel は SCM を使うシステムは電源遮断時に WPQ の内容のメモリへの書き出しを指示する Asynchronous DRAM Refresh(ADR)を搭載し、かつ UPS 的な一時的な給電を保証する機構を設けることを MUST することで PCOMMIT 命令を無くさせてしまったようだ。