回想録を書いたブッシュ Jr 大統領の高官列伝

米国の高官は退任後に回想録を書くことが多い。前副大統領ディック・チェイニーも回想録 In My Time: A Personal and Political Memoir を執筆とのこと。ブッシュ Jr 大統領の高官の書いた回想録としては最新だ。

回想録の中でチェイニーは前国務長官コリン・パウエルを口撃しており、パウエルがそれに反論をして騒動になっているそうな。チェイニーとパウエルは第一次湾岸戦争時代の国防長官と統合参謀本部議長のコンビだが、政治家としては仲がずっと悪かった。

ところでブッシュJrの高官のうち回想録を書いた人をずっとメモしていたので、ここに並べてみることにする。

The Price of Loyalty: George W. Bush, the White House, and the Education of Paul O'Neill 忠誠の代償

まず回想録を書いた最初の高官はポール・オニール Paul O'neill 元米財務長官だったはず。著者は「忠誠の代償(The Price of Loyalty)」。これはオニールが資料提供して、別著者が執筆している。

Against All Enemies : Inside the White House's War on Terror--What Really Happened 爆弾証言 すべての敵に向かって

だいたい同時期にリチャード・クラーク元大統領特別顧問が、「すべての敵に向かって (Against All Enemies)」を書いて、9.11が起きるまでブッシュ政権のテロ対策が杜撰だったことを暴露した。

Known and Unknown: A Memoir

ドナルド・ラムズフェルド大統領首席補佐官が Known and Unknown: A Memoir を執筆。

Condoleezza Rice: A Memoir of My Extraordinary, Ordinary Family and Me

コンドリーザ・ライス(後期)国務長官が、A Memoir of My Extraordinary, Ordinary Family and Me と一連の著作を執筆。

Decision Points 決断のとき(上)

ジョージW.ブッシュ大統領本人が「決断のとき(Decision Points)」というタイトルの著作を執筆。

In My Time: A Personal and Political Memoir

最後にディック・チェイニー元副大統領が今回 In My Time: A Personal and Political Memoir を執筆したことになる。

他にいるかしら?

閑話休題

こういう政治家の回想録は本人が書くわけではなく、資料や口述の内容を渡してプロのゴーストライターに書いてもらうのが一般的らしい。当然ゴーストライターの名前は表に出てこない。

ただコリンパウエル前期国務長官の回想録「マイ・アメリカン・ジャーニー(My American Journey)」は、2nd authorとしてライターの名前が入っている!! ライターの名前が併記されている回想録は、私が知る限りこれ一つだ。

My American Journey マイ・アメリカン・ジャーニー“コリン・パウエル自伝”―少年・軍人時代編 (角川文庫)

ただ上記の本はブッシュ Jr. の国務長官を務める前までしか載っていない。