IBM がメインフレームのミドルウェアベンダ Neon を訴訟で倒す

IBM の System z は、JavaXML の処理を高速化する System z Application Assist Processor(zAAPs) や、DB2 を高速化する System z Integrated Information Processor(zIIP) というオフロードエンジンというか特別な CPU を持ってる。Neon Enterprize Software はこの機構を利用して、System z が CPU で実行している処理内容を zAAP や zIIP に移す zPrime tool というミドルウェア(?)を開発した。

PC の世界の常識で言えば、CPU の処理を GPU に委譲しても問題ない。しかし IBMメインフレームは性能を MIPS*1 を指標にして量り売りをしている世界だ。CPU の処理を勝手にオフロードエンジンに移動させられると、本来よりも安い値段でしかメインフレームが売れなくなってしまう。

IBM としては Neon に zPrime を売られてはたまらないというわけで、警告を経て訴訟合戦に発展した。しかし結局 Neon のやっていることはライセンス違反だと決着がついたようだ。

IBM は2006年12月にも Itanium 上で動作する System z のエミュレータを開したPlatform Solutions(PSI)という会社を提訴しているんだよな。IBM にとってメインフレームビジネスは逆鱗のようだ。

*1:Mega Instructions Per Secondの方。