大相撲の八百長というか勝ち星の取り引き

大相撲の八百長問題に物的な証拠が出てきたらしい。

これはティーヴン・レヴィット&スティーヴン・ダブナーの「ヤバい経済学」でも指摘されていた。

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

この本では Mark Duggan と Steven D.Levitt(著者の一人) の研究*1を紹介している。

この研究は1989年1月から2000年1月までの間に、力士281人による3万2000番の勝敗を分析すると、千秋楽において7勝7敗の力士は「勝ち越す」ために他の力士から勝ちを譲ってもらうのではないか?という仮説を立ててそれを統計的に検証している。過去の対戦結果から見た場合の期待勝率と、千秋楽の日に7勝7敗になった場合の実際の勝率には非常に大きな開きがあることが分かる。



千秋楽における勝率
 期待勝率実際の勝率
7勝7敗の力士が8勝6敗の力士と対戦48.779.6
7勝7敗の力士が9勝5敗の力士と対戦47.273.4

*1:Mark Duggan and Steven D.Levitt, "Wining Isn't Everything: Corruption in Sumo Wrestling" American Economic Review 92, no.5 (December 2002), pp.1594-1605