国民皆保険って独占による価格コントロールがウリだと思うよ

個人的にはアメリカの医療費が高いのではなく、国民皆保険を導入してる国の医療費が安いのだと思う。

いまエリック・シュローサーの「ファストフードが世界を食いつくす」を再読しているが、食肉大手四社はアメリカの肉牛屠畜頭数の70%-80%以上を占め、その寡占状態を使って肉牛の生産者から安く買い叩いているそうな。砂時計で例えるなら、上に購買者がいて下に牧場主がいる。砂時計の真ん中にあたる食肉業者がぎゅっと絞って砂の流量をコントロールしている状態だ。

国民皆保険もこれと同じ。砂時計の上に患者で下が医療者、真ん中に国民皆保険の保険者が入る。
日本には保険組合はたくさんあるが、診療報酬は中央社会保険医療協議会(中医協)で決まっているのでどこでもいっしょ中医協は厚生省と医療が協議して診療報酬を決める。医療側は当然診療報酬を上げたいが、厚生省は医療費を削りたいから診療報酬を低く抑えたい。結果として診療報酬は安すぎる状態にバランスしている。


アメリカの保険改革改革が成功した場合、民間保険会社は政府保険機関のカバー範囲外を細々とやるところまで縮小せざるえないだろうし、医療者の収入も激減するだろう。保険業界や医療業界が反対するのはむべなるかな。それ以外の人が反対する理由はよく分からん。