諸星 大二郎 「トゥルーデおばさん」

トゥルーデおばさん

トゥルーデおばさん

諸星大二郎が「ネムキ」に連載していた「グリムのような物語」をまとめたマンガ。
ちょうどエンデの「鏡の中の鏡」を読んだ後なので(id:nminoru:20060401:book)、表題の「トゥルーデおばさん」や「Gの日記」などを読むと、グリムよりもエンデのマンガ化のような印象を受ける。
メルヒェンでは不条理な出来事があっても不条理なまま放置され作中人物も読者も疑問を持たないが、諸星 大二郎やエンデの世界ではそういう不条理さは異物感として残ったままだ。このマンガはメルヘェンに題材をとって、メルヘェンではないものに変えている。「諸怪志異」が、中国の古典志異に題材をとって、その世界を忠実(?)に表現している(ようにみえる)のとは違うよな。