メタンハイドレードの採取方法って・・・

id:nminoru:20060207:hydrate に続きメタンハイドレードの話題。
これまで採掘コストがペイしないと考えられていたメタンハイドレードだが、原油価格の高騰と採掘技術の改良で商業ベースに乗る可能性が見えてきたそうだ。


採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。
(2006年02月19日03時01分朝日新聞)

「温水注入」・「カナダ」からの連想で以下のような記事を思い出したのだが、大丈夫かね?


カナダのアルバータ州では、大部分が帯水層の2040億リットル以上の水を毎年油田に注入し、油層への圧力を保持して生産を高めようとしている。これだけあれば、アルバータ州レッドディアの住民7万人に20年間も淡水を供給できるのである。しかし採掘し終えた油田は、人間や自然にとって価値のない水しか残らない。
近年、石油会社とカナダ政府は「タールサンド」開発のために、さかんに投資している。アルバータ州北部にあるオイルサンド(油砂)層で、世界に残る石油資源の約3分の1(サウジアラビアの埋蔵量以上)があると推測されている。タールサンドから石油を分離するには大量の水が必要だから、この地域ではすでに河川の流量が減少している。カナダの水問題専門家ジェイミー・リントンによれば、石油の分離過程で水が汚染されるので、使用ずみの水を排水池に貯める必要がある。深い場所にあるオイルサンドは水平井戸を掘って地下深く蒸気を注入しないと取り出せない。この取水方法では1バレルの石油を生産するのに9バレルの水が必要だ。
炭層メタンを回収する場合にも、高塩分濃度の地下水を帯水層から大量に取水する。平均的なメタン生産井は毎日約6万リットルの地下水を汲み上げるが、そのとき河川には塩水が排出され、それが原因で水生生物が死ぬ。モンタナ州だけで、今後10年間に1万4000本から4万本の生産井を開発する計画があり、その中間値に近い2万4000本の生産井の場合、毎日約13億リットルの水が地下水層から汲まれ、10年間で帯水層の地下水位は約10メートルも低下する。